アクティビスト投資のメリット・デメリット!おすすめ投資会社3選

大切な資産を運用するならば、できるだけリスクを抑えながらより大きなリターンを得たいと思うものです。

それを実現する方法としてアクティビストファンドへの投資があります。

アクティビストファンドは変化を待つのではなく、自らの働きかけによって企業価値を高めることで利益をあげていきます。

日本では経営効率の悪さが指摘されており、米国などに比べ株価が伸び悩んでいる要因のひとつとも言われています。

裏を返せば経営効率の改善余地が多く残されているということでもあり、今国内外のアクティビストが日本企業に注目しています。

この記事ではアクティビストファンドの特徴と投資するメリット、投資先としておすすめのファンドについて解説していきます。

1、アクティビスト投資とは?

アクティビストファンドは物言う株主とも呼ばれ、一定以上の株式を保有して議決権を行使するなど積極的に経営に関与し、企業価値や株主価値の最大化を図ることで収益をあげる投資ファンドを言います。

アクティビストファンドは投資先企業に対し、役員の交代や、M&Aや事業譲渡、事業再編(合併・分社化・不採算事業の売却)といった企業体制の変更から、配当・自社株買いの実施までさまざまな要求や提案を行います。

ただ、自らの要求を実現するためときには敵対的買収(企業の乗っ取り)や委任状争奪戦、法廷闘争などの手法をとるケースもあり、このようなアクティビストにあまりいい印象を持たない人が多かったのも事実です。

最近では企業との対話を重視し、短期的な利益だけでなく長期的な視点で企業価値の向上を目指すという友好的なスタンスのアクティビストファンドも増加してきています。

またコーポレートガバナンス・コード(企業統治原則)やスチュワードシップ・コード(コーポレートガバナンスの向上を目的とした機関投資家の行動規範)が改定され、よりアクティビストにとって活動しやすい環境が整ってきています。

このような流れの中で、アクティビストの要求や提案は企業や他の株主からの賛同を得られやすくなってきました。

アクティビストと企業や他のステークホルダーの間で利益を享有するウィンウィンの関係が、今後ますます拡がって行くのではないかと期待されます。

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2、アクティビスト投資のメリット

アクティビストファンドの投資対象の多くは、企業の本来の価値が市場で評価されておらず株価が低迷している、いわゆるバリュー株(割安株)です。

バリュー株を投資対象とするバリュー投資は、世界的に著名な投資家ウォーレン・バフェット氏も実践し、その実績が示されている有効な投資手法です

ただ一般的なバリュー投資では、バリュー株に投資し、市場がその企業価値を正しく反映して株価が上がるのを待って利益を得ようとします。

そのためバリュー投資では長期投資が基本であり、利益が得られるまでに、数年単位の時間がかかることも珍しくありません。

それに対して、アクティビストはただ待つのではなく自ら行動を起こします。

 

株主としての権利を積極的に行使し、企業価値の向上を目的として、企業や経営陣対して事業再編や保有する資産の有効活用、株主への還元などを要求するのです。

こうした働きかけによって、アクティビストによる投資は、変化を待つ一般的なバリュー投資に比べ、より早い時期により大きな利益を実現できる可能性が高くなります。

これは投資対象を見極める高い専門性と、企業や経営陣に対して影響力を持てるだけの資金力があるからこそ可能となります。

アクティビストへの投資では、個人では難しいアクティビスト投資に間接的に関与し、運用成果を享受できるという大きなメリットがあります。

またアクティビストは、投資対象を目先の株価ではなく、本質的な企業価値に基づいて投資判断を行います。

そのため運用成果が相場全体の良し悪しに左右されにくく、長期的に安定した利益が期待できるのもメリットと言えます。

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3、おすすめアクティビストファンドと投資会社3選

アクティビストファンドへの投資では、より効率的なバリュー投資や長期的に安定したリターンが期待できます。

とはいえ、アクティビストファンドは通常、詳細な分析を行った上で投資対象を厳選し、少数の銘柄に集中投資を行うため、投資対象を見極める能力によっても運用成果は大きく左右されます。

また企業価値を向上させるため、企業に対して有効な働きかけができるのか、ファンドの資金力や提案力なども重要になってきます。

ここでは実力・実績を備えたアクティビストファンドを厳選してご紹介しますので、投資候補に加えてみてはいかがでしょうか。

(1)Japan Act

公式サイト:Japan Act

Japan Actは、日本国内の株式を主な投資対象としたバリュー/アクティビスト投資を行っている会社です。

徹底した投資対象の分析から理論価値を算出し、何らかの要因によって市場で過小評価されている企業への投資を行っています。

短期的な利益を追及せず、中長期的な投資スタンスで経営陣との対話を通じ、企業との関係構築を図っている。

企業の手掛ける事業の優位性や将来性、保有資産を徹底的に分析し、企業本来の価値と現在の企業価値(市場における時価総額)との間に乖離のある銘柄を投資対象とし、企業への要求や株主提案を行うなど、アクティビストとして積極的に活動しています。

(2)エフィッシモ・キャピタル・マネージメント

旧村上ファンドの社員が設立した資産運用会社で、シンガポールに拠点を持ち、株主提案などに積極的な物言う株主です。

アクティビストとして東芝や川崎汽船、ジャパンディスプレイなどの株式取得で名前があがっています。

資本の最適化を目指し、一部の企業に対しては経営陣への助言も行っています。

最近のアクティビストの傾向でもある、対話を持つことで企業価値をあげる取り組みも行っています。

(3)タイヨウ・パシフィック・パートナーズ(Taiyo Pacific Partners)

公式サイト:タイヨウ・パシフィック・パートナーズ

タイヨウ・パシフィック・パートナーズは、2001年設立された友好的アクティビストのパイオニア的存在のファンドです。

本拠は米国ですが日本企業を中心に、アジアで約17億ドルの資金を投資しています。

ファンドは「厳しい友人」として、投資先企業の評価・財務・ビジネスの各領域で長期的な価値を守り(Protect Value)、引き出し(Unlock Value)、創造する(Create Value)ために経営陣に働きかけます。

また経営陣からの信頼を獲得し、彼らが自信を持って意思決定が行えるよう意見や分析、ツールなどを提供しています。

まとめ

かつてアクティビストファンドへ投資できるのは、一部の富裕層に限られていました。

しかし現在では、一般的な会社員でも投資できるファンドも増えてきています。

世界的にアクティビストの影響力が増し、活動が活発になるなか、経営効率の改善余地が大きい日本企業は、国内外のアクティビストファンドから注目を集めています。

今回ご紹介したアクティビストファンドは、日本企業への投資実績が豊富なファンドばかりです。

アクティビストファンドへ投資を検討する際には、投資先候補としてみてはいかがでしょうか。